みなさんは「飛蚊症」という目の症状をご存知でしょうか。
先日、親が頻繁に目薬を打っていたのでどうかしたのか聞いてみると、「目の中にゴミが入ったようなのだが、なかなか消えない」と言うのです。
目薬を打ってゴミを流し出したいとのことでしたが、いくら目薬を打ってもゴミは消えてくれません。
さらに数日経ってもゴミの位置と大きさが変わらず、これはなにか別の問題があるのではないかということで眼科へ行ってきたのですが、そこで告げられたのが「飛蚊症」でした。
ここでは、自分の備忘録も兼ねて「飛蚊症」について自分が理解したことを記したいと思います。
「飛蚊症」ってなに?
明るい所や白い壁、青い空などを見つめたとき、目の前に虫や糸くずなどの「浮遊物」が飛んでいるように見えることがあります。
視線を動かしてもなお一緒に移動してくるように感じられ、まばたきをしても目をこすっても消えませんが、暗いところでは気にならなくなります。
このような症状が医学的に「飛蚊症」と呼ばれるそうです。
目の前を飛ぶ「浮遊物」の例
- 点々と黒い粒があるように見える「ゴマ状」
- 蚊が飛んでいるように見える「虫状」
- 水中にあるカエルの卵のように見える「カエルの卵状」
- 糸くずが何本もあるように見える「糸くず状」
- もわもわとタバコの煙が浮いているように見える「たばこの煙状」
目の前に浮かんでいる「浮遊物」の正体は?
眼球の中の大部分は、硝子体(しょうしたい)と呼ばれるゼリー状の透明な物質が詰まっています。
角膜と水晶体(すいしょうたい)を通して外から入ってきた光は、この硝子体を通過して網膜(もうまく)まで達します。
ところが硝子体に何らかの原因で濁りが生じると、明るいところで見たときにその濁りの影が網膜に映り、あたかも虫や糸くずなどの「浮遊物」が飛んでいるように見え、これが飛蚊症として自覚されます。
そして、この”濁り”には、生理的な原因によるものと病的な原因によるものがあります。
「浮遊物」に数や形の変化がなければ大丈夫?
母体内で胎児の眼球が作られる途中では、硝子体に血管が通っていますが、眼球が完成するとこの血管はなくなっていきます。
しかし、生まれたのちにも血管の名残が硝子体に残存すると、これが濁りとなって飛蚊症の症状を感じることがあります。
このタイプの飛蚊症は、生理的なもので健康な目にも起こる現象ですから、症状が進まないかぎりはあまり気にしなくても問題ないようです。
逆に病的な原因の場合は様々な問題がありますから、症状が現れたら自分で判断するのではなくまずは眼科へ行って検査を受けた方が良いでしょうね。
高齢者の飛蚊症はほとんど老化現象
歳をとると硝子体はゼリー状から液状に変化し硝子体は次第に収縮して網膜から剥がれますが、これを硝子体剥離(しょうしたいはくり)といいます。
このような変化が飛蚊症の症状をもたらしますが、髪が白髪になるのと同じようなもので、これは生理的な現象です。
また、若い人でも強度の近眼の場合には、この硝子体剥離が早期に起こることがあり、これによっても飛蚊症の症状がでるようです。
眼科の検査において、このタイプの飛蚊症と診断された場合は治療の必要はなく、多少うっとうしいことはあれど特に問題はないそうです。
「飛蚊症」の症状に急な変化があったら要注意!
飛蚊症を初期症状とする病気はいろいろあるため、見える「浮遊物」の数が増えたり形が変わったり視力が落ちるようであれば直ちに眼科へ行きましょう。
飛蚊症がサインとなる目の病気には以下のものがあります。
網膜裂孔(もうまくれっこう)・網膜剥離(もうまくはくり)
硝子体剥離やその他の原因で網膜に穴が開く網膜裂孔や、その穴を中心に網膜が下の層から剥がれて硝子体の方へ浮き出す網膜剥離があります。
このような現象が起こると初期症状として目の前を飛ぶ「浮遊物」の数が急に増加し、これを放っておくと失明にいたります。
硝子体出血
糖尿病や高血圧、外傷などにより眼底で出血が起こり、その血液が硝子体に入ると突然、飛蚊症の症状を感じたり、目の前に赤いカーテンを引いたように感じます。
出血の部位によっては視力が著しく低下します。出血が少なければ自然に治ることもありますが、出血が多い場合は手術が必要となります。
ぶどう膜炎(まくえん)
水晶体付近のぶどう膜に細菌やウイルスが侵入したり、目のアレルギー反応により炎症が起こると、血管から白血球や滲出物(しんしゅつぶつ)が硝子体に入り込み、飛蚊症の症状が現れます。
まとめ
眼科で見てもらったところ自分の親の場合は高齢による老化現象の飛蚊症でしたので、しばらく様子を見て浮遊物に大きな変化がなければこのままで問題ないとのことでした。
大事ではなくひとまず安心といったところですが、今回の件を通して飛蚊症を強く意識するようになりました。
やはり何か起こると健康について意識するようになるものですが、何かあってからでは遅いこともありますから普段から体調には気をかけるようにしなくてはなりませんね。